日本のみなさん、夢を共有しましょう!実話に基づいた大ヒット香港映画、監督自身が秘話語る!

Record China    2016年11月10日(木) 21時40分

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8日、2015年香港映画興収ランキング No.1に輝き、日本プレミア上映となった昨年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭で観客賞を受賞した「小さな園の大きな奇跡」。その舞台裏を監督が語った。

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2016年11月8日、2015年香港映画興収ランキング No.1に輝き、日本プレミア上映となった昨年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭で観客賞を受賞した「小さな園の大きな奇跡」が新宿武蔵野館にて公開中だ。本作は、香港で大きな社会ニュースになった、閉園危機の幼稚園を立て直した1人の女性の実話に基づいた物語。彼女の行動が香港市民の感動を呼び、銃もアクションもない香港映画が大ヒットしたのだ。主演は、香港ポップスの大スター、ミリアム・ヨンと3年連続マネー・ランキングNo.1に輝くルイス・クー。このほど、エイドリアン・クワン監督が来日し、インタビューに応えた。

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■この映画の製作の経緯は?

2009年にルイ先生とこの幼稚園のことが報道され、ニュースを知って以来、ずっと頭の中にあった。でも、なぜルイ先生はたった5人の園児のためにそんなに大変なことができるんだろうと、どこかわからない感じがしていた。ところが数年後、貧困家庭や障害者をサポートするチャリティー団体に参加してみて、ルイ先生の“自己を犠牲にする”気持ちが分かったと思った。

その話を映画業界の友人にしたら「ちょうどユンロン(元朗)にあるその幼稚園に行くけど一緒に来ない?」と誘われたんだ。そして、ルイ先生に会い、彼女の話にとても感動して、どうしても映画にしなくてはと思った。その友人はある映画会社の人間で、すぐに映画化を僕にオファーしてくれて、僕は監督のギャラも聞かずにOKした。でも笑い話だけど、そのギャラは、ルイ先生の(延長としての給料である)“4500香港ドル(約6万円)”以下、だったよ(笑)。

■ベニー・チャンがプロデューサーとして参加したのは?

友人の“4500香港ドル以下の監督”企画は、その後いろいろな経緯でベニー・チャンのところに届いた。僕は以前から彼を知っていたし、彼の方も銃やアクションのない映画をやってみたいという希望があって、企画に入ってくれることになった。ベニーは素晴らしいことに、ルイス・クーにこの映画のことを話してくれた。ルイスは知っての通り、“裕福”な人気俳優だけど、彼は香港映画界をサポートしたり、恵まれない子どものために学校をつくったり、とても心の温かい人なんだ。それでこの映画の出演をすぐに快諾してくれて、クレジットはされていないけど資金援助もしてくれた。こうしてこの企画は大きくなっていった。

■まずルイス・クーの出演が決まってから、ミリアム・ヨンが決まったんですね。

ルイスはいつもは警官物や黒社会物の映画に出ているので、こういう役を演じてみたいと思っていたんだ。彼の今回の役は、観客にとってもサプライズだよね。でも、僕は彼に最初に会った時、彼の中にとても温かい心を感じたので、彼ならできると直感したんだ。それに彼はとてもハンサムだしね。それからルイ先生の役にミリアムを考えた。彼女は素晴らしい女優だ。そして実際に3歳の息子がいて、こどもたちの心が良く理解できると思った。また、彼女の元看護師というキャリアも、人間の生きる権利の大切さを知るうえで役に生きていると思うよ。ミリアムは国連大使としてのチャリティー活動でも有名なんだ。

■共同脚本のハンナ・チャンとはどのように仕事をしたのですか?

彼女とはキリスト教の団体で知り合った。今回で6作目の仕事になる。彼女は心理カウンセラーが本職なので、キャラクターの心理を描くのがとても上手なんだ。まずは2人でその映画の主題について話し合い、それからキャラクターをつくっていく。その時はもう口論に次ぐ口論といった感じでやり合うんだ。それから僕が第1稿を書き、その後はキャッチボールのようにして、脚本を練り上げていくんだけど、何度も意見をぶつけあうよ。

■5人の子どもたちのキャスティングは?

5人の子どもは 400人の中からオーディションで選んだ。選ぶ時は、子どもらしい無邪気さをもっていて、“演じている”のではなく、ごく普通の子どもらしさが自然に見えることに気を配った。最初10人選び、3カ月一緒に練習し、10人から5人を選ぶまでは、本当に時間をかけた。演出も大変で、今回の撮影は、子どもにかけた時間がもっとも長かったと言っていい。“アクション”という言葉を教えたり、“カット”と言ったらどうするか、カメラを見てはダメといった、基本のことから教えなくてはならなかった。子どもの撮影をするのは1人でも大変なのに、今回は5人。だから助監督も5人。子ども1人に1人の助監督。普通より多いけど、それでも足りなかった。眠い、おなかすいた、休憩したい、今度はトイレ、 毎日本当に大変だった。でもスタッフも、そして何より子どもたち皆が、とても頑張ってくれた。

■映画の中のエピソードはすべて事実ですか?

もちろんよりドラマティックにしている部分はあるけれど、基本のアイデアはすべて事実。ルイ先生本人にインタビューし、園児やその家族にも話を聞いた。ルイ先生が子どもたちと打ち解けていく方法や授業の仕方も、先生から聞いたことを脚本に取り入れている。また、園児のひとりの家はまだ同じ場所にあったので、家にも行って、立ち退き業者がどのあたりに土を盛り上げたのかも実際に見せてもらった。ルイ先生が幼稚園の一般開放を企画したけど、その時は1人も来なくて皆がっかりした話もインタビューで聞いたエピソードなんだ。

■あなたは“ゴスペル監督”と呼ばれているそうですね。

母が生前、大きな病気で気持ちもふさぎきっていた時に、キリスト教のあるビデオを見て、とても前向きになったんだ。それがきっかけで、僕もクリスチャンになった。そのビデオは映画としては正直言ってとても出来の悪いものだったんだけど(笑)、僕は映画監督として、誰もが映画として楽しめて、かつ希望や勇気を感じられるような映画をつくり続けたいと思ってる。

■これから「小さな園の大きな奇跡」を見る日本の皆さんに一言。

夢を共有しましょう。勇気を持って、恐れずに夢見る人になってください。すべては可能です。この世界はきっとより良くなっていけるはずです。(編集/内山)

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