日本僑報社 2016年10月15日(土) 6時10分
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中国国内でイスラム教を信仰する人はウイグル族や回族など、合わせて1300万人あまりいるとされている。そんな中の一人である北京郵電大学の王超文さんは、イスラム教徒であるがゆえの日本旅行の悩みについて、作文につづった。写真は豚骨ラーメン。
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中国で2010年に行われた第6回人口統計によると、中国国内でイスラム教を信仰する人はウイグル族や回族など、合わせて1300万人あまりいるとされている。そんな中の一人である北京郵電大学の王超文さんは、イスラム教徒であるがゆえの日本旅行の悩みについて、作文に次のようにつづった。
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去年、初めて日本に行ったとき、せっかくなので日本の代表的な食べ物の一つ、ラーメンを食べてみようと思った。あるラーメン屋さんに「すみません、ラーメンには豚肉が入っていますか。イスラム教徒なんですけど」と聞いた。すると、残念なことに、「豚肉は入ってないけど、豚骨を使っています」と言われた。おまけに、そのラーメン屋さんは日本のほとんどのラーメンは豚骨で作られていると教えてくれた。つまり、私は一生、日本のラーメンが食べられないということになる。残念でならない。
2013年12月のNHKの調査結果によると、日本全国に5万人のイスラム教徒がいるそうだ。また、2003年から2010年にかけて、日本に旅行に行くインドネシア人(世界でイスラム教徒が最も多い国)とマレーシア人(イスラム教徒が約60%)の人数は年々急速に増えたそうだ。国際化がますます進んでいる今、来日するイスラム教徒も大幅に増えているので、日本側も彼らの飲食にふさわしいものを提供する一歩を踏み出したほうがよいのではないかと思う。
ところで、中国では蘭州ラーメン(蘭州は中国甘粛省の省都)と呼ばれるものが有名だ。その優れたところは、イスラム教徒が食べられ、また全国どこでもチェーン店があるということだ。56の民族がある中国では、イスラム教徒の人数は多いと言えば日本より多いが、中国の最も人数の多い漢族と比較すれば、それほど多くない。しかも、ほとんどのイスラム教徒は中国の北方地区に住んでいて、南方地区ではほんのわずかだ。だからと言って、南方に旅行する時、あるいはそこに住んでいるイスラム教徒は飲食が不便かというとそうではない。蘭州ラーメンのおかげで、中国のイスラム教徒は食事に悩むことがない。おまけに、イスラム教徒のために、自分の居場所の近くの蘭州ラーメンのお店がどこかを教えてくれるアプリケーションも開発された。
去年の冬、南京に旅行した時、飲食が不便じゃないかと心配したが、そのアプリケーションのおかげで、イスラム教徒の私が食べられるものをちゃんと見つけることができ、何も心配する必要がなかった。4日間、毎日蘭州ラーメンを食べていて飽きてしまったが、日本にいた時、ラーメンが食べられなかった時よりはずっと満足だった。
もし多くの日本人が中国人のように、イスラム教徒のことを心から理解できれば、日本ではイスラム教徒のことが認められ、イスラム教の習慣も尊重されるだろう。そうすると、イスラム教徒も本場の日本料理が味わえる。今日本に住んでいる5万人のイスラム教徒は日本人の思いやりや親切をしみじみ感じられ、きっと心に感謝の気持ちがあふれると思う。世界のあちこちから日本に旅行するイスラム教徒がどんどん増え、日本の経済回復にも役に立つのではないだろうか。(編集/北田)
※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、王超文さん(北京郵電大学)の作品「なぜ豚骨だけ?」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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