日本僑報社 2016年9月10日(土) 23時30分
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中国の若者はマナー問題についてどのように考えているのか。日本人と交流した大連工業大学の李ミャオさんは、作文で特定の場所での注意点よりも「個人の人格」のほうが大切になるとつづっている。
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中国人のマナーの問題は海外のメディアでたびたび指摘されているが、中国の若者はこれについてどのように考えているのか。日本人と交流した大連工業大学の李ミャオさんは、作文で特定の場所での注意点よりも「個人の人格」のほうが大切になるとつづっている。
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日本語の勉強を始めて3年。とても嬉しいことに、大学に入って以来、様々な日本の方との出会いがありました。ここでその一つを書きたいと思います。
ある日、私は5人の友達と、ある日本人の女性と一緒に食事をしました。そのおばさんは中国で働いている社会人として、いろいろと指導してくれました。おいしい料理を食べながら、自分の夢や将来のビジョンや仕事についてなど語り合って、とても楽しく交流しました。店内に私たちの笑い声が大きく響き渡りました。中国語と日本語、両方話したために、店員や周りのお客さんも、時々私たちのほうを不思議そうに見ていました。
私はあまりに楽しかったために、食事中の姿勢を全く気にしていませんでした。おばさんはそんな私を見て、ビジネスシーンでの食事のマナーについて話してくれました。「ビジネスの会食の場合は、座っているときも背筋を伸ばして、茶碗を持ち上げて食べるものですよ」と言いました。その時の私は、テーブルの上に茶碗をそのまま置いて、腰を曲げて話しながら食べていました。おばさんの話を聞いて、私は思わず笑ってしまって、「今の私の姿勢はマナーとは真逆ですね」と言うと、おばさんは「ビジネスの食事の場合は注意しなければいけませんよ。でも友達との食事なら大丈夫ですよ」と言いました。おばさんが語って下さったことから、多くの注意点に気づきました。本当にいい勉強になりました。
食事が終わっても、おばさんの話はさらに続きました。すると私たちの後ろのテーブルで、2人の男性客が聞こえてきた日本語を意味もわからないまままねしていることに気づきました。私は驚くとともに、少しイライラしました。同じ中国人として恥ずかしくなりました。
でも、おばさんは全く気にすることなく「こんな強い好奇心を持っている店員さんとお客さんに出会ったのは初めてです。この店に来る日本人の客は少ないんでしょう」と言うと、2人の男性に笑って中国語で「私の話がわかるの?」と聞きました。男性客の1人は、「中国語の部分だけわかる」と言いました。その優しく温かいおばさんの心が、なんとなく嫌だった空気を和ませてくれました。私はますますおばさんを尊敬するようになりました。
マナーというのは特定の場で気をつける注意点だけではなくて、個人の人格が大事になってくるのだと、おばさんを見ていて気づきました。マナーを守ることは、相手に敬意を表すだけではなく、自分自身の品格を示すことになると思います。おそらく、あの2人の男性客は日本語を聞いて興味を持ち、おばさんに声をかけたいと思いつつも、結局声をかけられずにあのような振る舞いをしたのだと思います。悪意があったわけではないでしょうが、相手に誤解される可能性もあり、マナー違反だと言われても仕方ありません。
多くの中国人はこうしたマナーに気づかないでいると思います。中国はすでに国際的な国家となり、一人ひとりの国民は人格、素養を高めるように努めなければなりません。職業や立場を問わず、中国人として誰でもそのような責任を担っているのです。マナーを遵守し、尊敬しあうことは、みんなが気持ちよく生活していくために大切であり、多くの人に良い影響を広げることができると思います。私は1人の中国人として、また国際人として、国際社会で礼儀正しく、模範的な人間になれるように努力して、周りの人によい影響を与えていきたいです。(編集/北田)
※本文は、第十回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「『御宅』と呼ばれても」(段躍中編、日本僑報社、2014年)より、李ミャオさん(大連工業大学)の作品「公共マナーと中国人」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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