対中韓外交で相違浮き彫り=蓮舫氏「距離縮めたい」、前原氏「中国はルール守れ」、玉木氏「人的交流を」―民進党代表選候補が討論会

八牧浩行    2016年9月2日(金) 18時44分

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2日、民進党代表選に立候補した蓮舫代表代行、前原誠司元外相、玉木雄一郎国会対策副委員長が日本記者クラブで討論会に臨んだ。中国、韓国など近隣諸国との関係について、「中韓は重要」との点で一致しながらも相違が浮き彫りになった。写真は同討論会。

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2016年9月2日、民進党代表選に立候補した蓮舫代表代行、前原誠司元外相、玉木雄一郎国会対策副委員長が日本記者クラブでの討論会に臨んだ。中国、韓国など近隣諸国との関係について、3候補とも「中韓は日本にとって極めて重要」との点で一致しながらも相違が浮き彫りになった。

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蓮舫氏は「近隣外交を推進し、中国、韓国との距離感は埋めなければならない」と指摘した上で、「中国共産党、韓国の各野党などとのつながりをさらに深め、与党になった時に備えるよう地道に努力したい」と強調した。

前原氏は南シナ海の九段線や東シナ海における領有権に関する中国の主張に言及した上で、「中国は力で世界のルールを変えようとしているゲームチェンジャーだ」と批判。「ルールを守ってもらわなければならない」と求めた。前原氏が国土交通大臣だった2012年に、尖閣諸島海域で中国漁船衝突事件が発生、従来の自民党政権の対応策と異なる強硬策をとり、中国が反発した経緯がある。

玉木氏は「離島防衛のグレーゾーン問題に対応したい」と語るとともに、中国と民間を含めた人的交流を進めて行くべきだと訴えた。

各候補の発言次の通り。

<蓮舫氏>

日米同盟を基軸にするのは明確だが、近隣外交を推進し、中国、韓国との距離感は埋めなければならない。例えば中国とは「政令経熱」と言われて久しいが、新たな局面として「爆買い」の形で日本に中国の方々が来ている。豊かになった人たちが増えた時に、私たちは人的交流を通じて、経済でもつながりはさらに深くなっていく。韓国との関係も同様だが、政治の距離を縮めなければならない。両国との政党間交流は歴史がある。中国共産党、韓国の各野党とのつながりをさらに深め、与党になった時に備えるよう地道に努力したい。

<前原誠司氏>

日本外交の基本は日米韓であり、米国の同盟国であり基本的な価値観を共有する国である。歴史問題などの違いを超越してしっかりやっていかなければならない。中国はゲームチェンジャーであり、力で世界のルールを変えようとしている。今の南シナ海の九段線や火がシナ海における領有権の主張も同じ文脈だと思う。しっかりと国際的なルールを守ってもらわなければならない。しかし日中間の間柄は極めて重要であり、偶発的な事故が起きないよう、メカニズムを構築し、同時に人的なパイプをしっかりと作る中で日中韓をマネージメントしてベースをつくっていくことが重要だ

<玉木雄一郎氏>

安全保障は極めて大事であり、離島防衛は特にグレーゾーンで、穴があいていると指摘してきた。安保法制にもないのでしっかり対応していきたい。同時に中国との民間を含めたきめ細かい人的な交流は継続すべきだ。これがなかったから、例えば中国漁船衝突の時に問題があった。何かあった時に備え人的パイプを常につないでいくべきだ。私自身も、日中の若手政治家同士の交流プログラムをやっており、信頼関係をつくっていきたい。例えば李源潮さん(中国副主席)にも行くと会え、海洋メカニズムを議論することができる。民間を含めた人的交流を進めて行くべきだ。(八牧浩行)

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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