Record China 2008年1月21日(月) 23時13分
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2008年1月、中国の新華社は、中国南部での水不足問題について詳細な現地ルポを報道。水資源に恵まれているとされてきた南方でも事態が深刻化していることを伝え、警鐘を鳴らすのが狙いと見られる。写真は06年11月の江西省のポー陽湖。
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2008年1月11日、中国の国営新華社は、中国南部での水不足問題について詳細な現地ルポを報道した。従来、乾燥した北方に比べ、水資源に恵まれていると考えられてきた南方でも事態が深刻化しており、「これまでの常識が通用しない」ことを伝え、警鐘を鳴らすのが狙いと見られる。
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ルポの概要は以下の通り。
2007年12月までに、中国南部の水不足状態はすでに2か月あまりも続いている。国家気候センターによると、同年9月下旬以降、江南地区、華南地区及び貴州の降水量が100mmを下回り、渇水が進行。湖南省中南部、江西省中南部、広西チワン族自治区北部、広東省西部、貴州省東南部などの地域では事態が深刻で、中でも江西省、湖南省、広西チワン族自治区の一部では50年に一度とも言われる深刻な水不足となっている。
これにより、これら地域の主要河川の水位も低下。同年12月時点で、江西省北部にある中国最大の淡水湖・ポー陽湖の水面積は、満水時の4000平方キロメートルから50平方キロメートルにまで大幅に縮小した。
「広州日報」は、長江では上流から流れてくる水が減少したため、中流で渇水現象が起きていると報じた。事態を重視した交通部長江航務管理局は、2007年12月5日、「長江中流の水不足が極めて危険な状態である」と発表。また長江航道局の責任者は、「2008年1月末から2月の上旬にかけて、長江中流はこの132年間で最低の水位を下回り、通航状況は更に厳しくなるだろう」とコメントしている。
幼少時から長沙市橘子洲大橋周辺で育ったという劉ニ井(リウ・アルジン)さんは、橋の下のむき出しになった石を指差しながら「こんなに露出してしまったのか?これまでこんな光景を見たことはなかったなぁ」と慨嘆した。また、長沙市岳麓区中南大学の南側にある野菜畑では、本来作物が青々と茂る季節にも関わらず、枯れて黄色く見えるという。
野菜農家の王有田(ワン・ヨウティエン)さんは、家から数百メートル先の岳麓山の麓にある貯水池まで、水がめを担いで水を汲みに行くことが日課だった。しかし、ここ何か月も雨が降っていないため、貯水池に水がなくなるのも時間の問題。王さんは、ため息まじりに「滄海桑田呀(世の移り変わりが激しいという意味)」と一言つぶやいた後、「水が豊富にあった頃は、この野菜畑の周辺はどこでも貯水池が見られた。1年を通して水に恵まれ、野菜畑も今よりずっと大きかった。こんなに雨が降らないのでは、農業を続けることができないなぁ」と肩を落とした。(下に続く)
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