日本僑報社 2016年3月19日(土) 12時20分
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中国人のマナー改善に必要なことは何か。南通大学杏林学院の徐曼さんは「他人の目を意識する」ことが重要だと主張している。資料写真。
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「中国人」と聞くと、マナーの悪さを連想する人も多いのではないだろうか。実際、海外に出かける中国人の増加に伴い、マナーの問題も大きく報じられるようになった。では、中国人のマナー改善に必要なことは何か。南通大学杏林学院の徐曼さんは次のように分析している。
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「最近悲しかったことは何?」と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。私は、「中国人お断りのホテルやレストランが海外に出現したこと」と答える。「私は何も悪いことしてないのに、何で?」この事実をインターネットで知った時、心の中で私はそう叫んでいた。
皆さんがご存じのように、中国には5000年の歴史がある。歴史の流れの中で、時代の絶え間ない変化と共に、われわれはたくさんの礼儀の文化を形成してきた。そのため、中国は「礼儀の国」だと言われる。このことを私は誇りに思っている。しかし、残念ながらこれらの礼儀がすべて良いマナーというわけでは無い。
日頃生活していて、私が目にする公共マナーに関して問題がある中国人の行動には、次のようなものがある。1つ目は、路上に痰を吐き放題であること。とにかく汚い。2つ目は、バスが来ると列が崩れ、一斉にバスに群がること。バスを先頭で待っていても、うっかりすると最後になってしまう。3つ目は、公共の場で親が所構わず子どもに小便をさせること。日本なら、路上が濡れていたら「誰かが水をまいたのだろう」と考えるだろう。でも中国では、「子どもの小便だろう」と考えるのが普通なのである。そして、4つ目は、どんな場所でも大声で電話すること。
これらの問題行動すべてに共通して言えることは何だろうか。実にどれもが、自分の欲求を最優先させた行動であり、他人の目をまったく気にしていないということだろう。では、人はどんな時に他人の目を気にするのだろうか。それは、人と違う行動をして恥ずかしさを感じる時だ。中国では、これらの問題行動が、人と違う行為にならない点が問題なのである。そして、その理由は3つある。
まず、社会的背景である。中国の社会は昔から権力とお金が絶対的な力を持つ社会である。「お金を払えば何をしたって構わない」という中国式の考え方が形成されてしまったのだ。次に、教育的背景である。中国は長きにわたり科挙制度を実行してきた。学問を偏重し、マナー教育は疎かにされてきたのだ。そのため、公共マナーという概念が希薄なのである。最後は、文化的背景である。遠慮しないことが中国の文化であり、人に何かをしてもらった時でも、お礼を言うと逆に「他人行儀だ」と嫌がられる。
このような理由から、5000年の長きにわたり根付いてしまった悪習を数十年で改めるのは難しい。しかし方法はある。それは、「他人の目を意識する」ことだ。私は2つの側面から同時に変革すべきだと考える。1つは、外部からの変革である。国家がマナーに関連する法律の整備及び制定をし、しっかりとした取り締まりを実施することである。さらには、学校でマナーを科目として新設することも必要だ。もう1つは、内部からの変革である。各個人が、「自分の行動が中国人の印象を決定する」という自覚を持って、自らの行動に注意を払うことが必要だ。「他人行儀を嫌う」という中国人の特性は良いことだが、場合によって柔軟に対応すべきだ。
時代は常に変化している。われわれの思想も変化を求められているのだ。文明的な行動が求められる現代。中国人マナー改革の鍵である「他人の目を意識する」ことで、われわれは真の国際人として認められる中国人となろう。(編集/北田)
※本文は、第十回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「『御宅』と呼ばれても」(段躍中編、日本僑報社、2014年)より、徐曼さん(南通大学杏林学院)の作品「中国人マナー改革の鍵」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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