「恋愛絶望」時代の日本ドラマ、現代の恋愛観とは―中国メディア

Record China    2015年4月2日(木) 20時22分

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2日、日本のドラマが恋愛や結婚に対してどれだけ絶望しているかは、「私が恋愛出来ない理由」「結婚しない」「最高の離婚」といったドラマのタイトルを見ればよく分かる。資料写真。

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2015年4月2日、日本のドラマが恋愛や結婚に対してどれだけ絶望しているかは、「私が恋愛出来ない理由」「結婚しない」「最高の離婚」といったドラマのタイトルを見ればよく分かる。しかし、最近フジテレビで放送されたドラマ「デート〜恋とはどんなものかしら〜」の理系女子、藪下依子とニートの谷口巧の恋愛・結婚観にはさらに驚かされる。ドラマの中で、谷口巧はフランスの哲学者モンテーニュの言葉を引用し、「美貌や愛欲によって結ばれた結婚ほど失敗する。湧き立つような歓喜は何の役にも立たない」と語る。藪下依子も結婚は契約に過ぎないと考え、「愛情などという数値化出来ない不確定要素を基板に人生を生計するなんて非合理的よ」と言い切る。依子に密かに好意を寄せるサラリーマンの鷲尾豊が、恋愛がいかに素晴らしいものかを説明するが、依子の「恋愛結婚が増えるに従い未婚率と離婚率が増え、出生率が低下している。この現実をどう説明するんですか?」という返しに黙りこんでしまう。人民網が伝えた。

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藪下依子と谷口巧は、結婚相談所を通して知り合い、恋愛経験「ゼロ」の2人が結婚を1つの契約とみなし、統計データやマニュアルを参考にしながら交際をスタートさせる。そこから生み出される滑稽で暖かいストーリーは、日本の現代社会と恋愛観を反映しており、多くの都市部の男女の共感を得ている。

▼現代人は皆、愛情に関して「病気」を抱えている

リーガル・ハイに続き、脚本家の古沢良太が今度は恋愛ドラマに初挑戦した。数学者の母親の優秀な遺伝子を受け継いだ藪下依子は国家公務員となり、仕事から生活まで何もかも効率的で規則正しくないと気が済まず、テーブルの上の調味料までも大きさごとにキッチリと一列に並べる。デートの服装や内容、表情も全て統計データから導き出された最善の選択肢を選び、頭には花、アヒル口に上目使い。お雑煮を作るときも、計量カップや秤でいちいち分量を計る。依子との出会いに驚きを隠せないもう一人の主役の谷口巧もまた「変わり者」で、13年にわたる引きこもり生活を送っており、母の年齢や老いを感じ、新たに「寄生」出来る相手を探している。しかし他人から「パラサイト」、「ニート」というレッテルを貼られることには心外で、自分のことを太宰治に重ねて「高等遊民」と思っている。ドラマ「24」のシーズン1からシーズン6までを6日間で見終えたことを誇りとしており、新年の予定は、途中で挫折したドラマ「LOST」をもう一度最後まで見ることだ。通常、このような人物を恋愛ドラマの主役に設定することは「不適格」である。しかしながらドラマが進むにつれて、多くの人が彼らへの共感を覚える。

台湾の漫画家・朱徳庸(ジュウ・ダーヨン)の4コマ漫画「大家都有病(みんな病んでいる)」は、都市で暮らす男女の、時に「病的」で時に切ない恋愛模様を面白おかしく描いた作品だ。その中に、こんなくだりがある。3人の女性が、それぞれ「自分の人生が見つかるまでは帰らない」、「自分の夢が見つかるまでは帰らない」、「真実の愛が見つかるまでは帰らない」と言いながらマンションを出て行く。マンションの警備員は、1人目は「午後には帰ってくる」、2人目は「夕方には帰ってくる」と予想したが、「真実の愛」を探しに行った女性は「永遠に帰って来ないだろう」と予想した。

▼現実の日本人の結婚観、「独身でも恥ずかしくない」

いつしか「人生に恋愛は不要だ」と考えるようになった「恋愛力ゼロで恋愛不適合者」の男女が、それぞれのやむにやまれぬ事情から結婚を目指すことになり、一切の恋愛感情を持たぬまま、日々つたないデートを積み重ねていく…。売れ残り男女は、日本でもここ数年増える一方だ。「売れ残り」現象によって晩婚化と少子化にいっそう拍車がかかり、日本人なら誰もが見過ごすことのできない社会問題になっている。日本内閣府が発表した2014年版「少子化社会対策白書」によると、日本人の平均初婚年齢はここ数十年間上昇の一途をたどっており、今では男性30.8歳、女性29.2歳となっている。統計データによると、日本における2010年の生涯未婚率は、男性が20.1%、女性が10.6%だった。また、25歳から39歳の年齢層の未婚率も上昇し続けている。年齢層をより細かく分けた場合、25歳-29歳の未婚率は男性71.8%・女性60.3%、30歳-34歳は男性47.3%・女性34.5%、35歳-39歳は男性35.6%・女性23.1%。日本の社会観念に変化が生じている。2000年以前の日本社会では、いい年になっても結婚しないことは、「恥ずかしいこと」で、周囲から「所帯さえ持てない半人前の人間」とバカにされないよう、早く身を固めた方が良いと考える人が多かった。また、終身雇用制だった当時、社員は、結婚して子供をもうけた後、やっと昇進できるというパターンが主流だった。だが、この数年、ほとんどの人が、「独身であっても別段恥ずかしくない」と考えるようになり、企業側も、「結婚」を昇進の条件として考慮に入れることもなくなった。

▼現代女性の愛と結婚への欲求は下がり続けている

「デート」のヒロインの依子が言うように、社会の開放性が進むにつれ、男女の結婚観は日に日に自由になってきている。またバブル崩壊の影がまだ残っている日本では、女性は経済的な自立を強いられ、さらには専業主婦までも家計を支えるために仕事に戻らなければならない。2010年に日本で「終身未婚率」の調査が行われたが、結果として一生に一度も結婚をしたことがない男性は19%、女性は10%であった。2012年の同数字はさらに悪化し、平均して日本人男性の5人に1人は50歳まで結婚した経験がない事実が明らかとなった。日本政府の推測では、2030年にはこの数字が男性29.5%、女性22.6%に達する。ドラマ作品を見る限りでは、日本は既に末期症状に陥っている。

近年、女性は仕事が忙しすぎて結婚や恋愛をしている暇がない状況が増えており、経済的な自立に伴って結婚して家庭を築く欲求も薄れ、一部では一生結婚しないと決めている人までいる。「結婚しない」の主役の一人で造園プランナーの桐島春子は、結婚しない主義を貫き、人生を仕事に費やし、「努力をすれば報われる、努力だけは裏切らない」と主張している。

例え結婚したとしても、日本の男女の場合は苦労が減るわけではなく、それはここ数年のドラマにも現れている。「最高の離婚」の夫婦は互いに愛し合っているがうまくいかず、「昼顔」では平凡な主婦が愛のために家を出てしまう。「昼顔」の主人公・紗和の義母は、過去に夫に浮気され、それにじっと耐えてきたという辛い過去を持つ。ところが紗和は不倫相手と駆け落ちし、夫によって連れ戻される。やや現実離れしたストーリーにも思えるが、これも日本社会の現実を反映しているのだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/YW・編集/武藤)

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