中国GDPの低下、成長モデル転換による“官製減速”=過剰不動産は政府が買い取り公共賃貸住宅に―中国専門家

八牧浩行    2015年3月27日(金) 14時15分

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26日、中国経済に詳しい中国人専門家は、同国のGDPが減速していることについて、「主に政府の信用と投資を抑制する政策による“官製減速”で、成長モデルを転換した結果もたらされた」と分析した。写真は上海。

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2015年3月26日、中国経済に詳しい中国人専門家は、同国のGDPが減速していることについて、「主に政府の信用と投資を抑制する政策による“官製減速”であり、成長モデルを転換した結果もたらされた」と分析。マクロ政策を効率的に動員することによって2015年の成長目標「7.0%前後」を達成することになるとの見通しを明らかにした。過剰在庫が深刻な問題となっている不動産について、政府が買い取り公共賃貸住宅に回すことが検討されているという。同専門家の分析は次の通り。

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(1)中国の最近のGDP伸び率の低下は、主に政府の信用と投資を抑制する政策による“官製減速”であり、成長モデルを転換した結果もたらされた。

(2)中国政府が唱える中国経済の「新常態(ニューノーマル)」は、経済成長の需要サイドと供給サイドの新しい様々な変化を想定し、新しい成長環境の下での政府と市場の関係を再構築することがその主な狙いである。

(3)「新常態」に移行させるため、「中速の経済成長の確保」「債務管理と金融リスクの回避」「構造改革の推進」―の3つの目標を同時に掲げながら、財政・税制改革、国有企業改革、金融改革、新型都市化の推進など具体的経済政策を追求。特に金利自由化(預金保障制度の改革、預金金利上限の撤廃)、為替レートの自由化の推進、ネット金融法規の整備、香港と上海金融市場の連携―などの改革を推進している。

2015年の経済政策の重点項目は(1)「7%前後の成長率の確保」に向け、推進、財政支出・金融緩和・金利引き下げなどの「政策玉手箱」を駆使しながらマクロ政策を機動的に動員する、(2)各種改革の一層の推進、(3)大気・水質汚染の防止など環境政策の強化する―の3点。余剰在庫を抱え供給過多となっている不動産市場テコ入れするために、政府資金で住宅のストックを購入し、それを公共賃貸住宅に転用することを検討。14年に4省で実験がスタートし、今後全国に普及させる。

習近平国家主席は、基本的な目標として、(1)党の綱紀粛正(2)法による国政運営(3)改革の深化(4)小康社会の全面的構築―など4つの分野での「全面的推進」を掲げている。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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