芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田 純)システム理工学部の越阪部奈緒美教授(食品栄養学研究室)らの研究グループは、チョコレートや赤ワインなどに含まれるフラバノールの渋みが感覚刺激として脳に信号を送り、即座に記憶や覚醒に関わる神経系を活性化することを明らかにしました。
従来、食品成分が脳に作用するには、消化・吸収を経て血中に移行する必要があると考えられてきました。しかしフラバノールは生体利用率(血中への吸収率)が極めて低く、脳への作用を説明することが困難でした。研究では、実験でフラバノールをマウスに一度だけ投与したところ、青斑核(LC)を中心とするノルアドレナリン神経系が即座に活性化し、運動量や短期記憶の向上、ストレス応答の活性化が確認されました。さらに、脳内のノルアドレナリンやドーパミンの増加も観察されました。
この成果は食品の味や感覚が脳や自律神経に影響を与える可能性を示しており、今後の健康食品開発や感覚栄養学の発展に貢献することが期待されます。
■ポイント
●フラバノールの渋みが感覚刺激として神経を介し、記憶や覚醒に関わる脳内ネットワークを即座に活性化することを実証
●従来の食品成分の吸収モデルでは説明できなかった脳作用の新たな仕組みを解明
●食品の「味」や「感覚」が脳や自律神経に影響を与える可能性を示し、感覚栄養学や健康食品開発への応用に期待

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